厚生労働省の調べでは日本人の疾病による死亡原因第1位は『がん』です。

がんは身体の様々な部位で発症しますが、その中でも患者数・死亡者数共に多いのが胃がんで毎年5万人もの人が亡くなっています。

胃がんの原因は99%がピロリ菌の感染によるもの』とされますが、上下水道の普及率が90%を切っていた40代以上の世代にピロリ菌感染者が多いことからも、30代以下の若い世代にはあまり関係がないと油断している人も多いようです。

しかし最近、介護士・看護師からのピロリ菌感染が増えているのではないかとの指摘が強くなっており、原因はピロリ菌に感染した利用者や患者の吐しゃ物や排泄物に触れる機会が多いからだと言われています。

この記事では、ピロリ菌の感染ルート早期発見の方法を紹介していきます。

ピロリ菌はどこから感染するの?

現在の日本は上下水道の普及率が93%にも上っているので『自然界にはピロリ菌は存在しない』、『ピロリ菌は人から人へ感染することで生き延びている』とまで言われています。

また幸いなことに、成人するまでピロリ菌に感染しなかった人への感染は稀なケースとされており、感染しても一時的で持続感染は少ないとされています。

では、『どこからピロリ菌に感染してしまうの?』という疑問ですが、ほぼ唯一の感染経路とされるのが免疫力の弱い乳幼児期に親から感染するケースです。

特に離乳期は注意が必要で、口移しやキス、母親のスプーンを子供にも使うことでピロリ菌が感染してしまいます。

5歳までは免疫機能が未発達なため、ピロリ菌だけでなく様々な感染症を簡単に受け入れてしまいます。

自分が感染して居なくても注意が必要

さらに注意すべきは、自分がピロリ菌の感染者でなくても子供にピロリ菌を感染させてしまう危険性があることです。

当然、ピロリ菌は胃に巣食う最近なので感染者の排泄物や吐しゃ物にはピロリ菌が含まれています。

特に看護師や介護士は、ピロリ菌感染者の患者や利用者に接する機会が一般人よりも多いので、家庭にピロリ菌を持ち帰って幼児期の子供に感染させてしまう危険性は遥かに高いです。

ピロリ菌が付着した手で離乳食を作ったりすれば子供にピロリ菌を感染させてしまうことも十分に考えられます。

感染せずとも一時的に保有することもある

また、ピロリ菌に感染したことのない大人も油断はできません。

確かに成人への初感染は稀ですが、ピロリ菌が体内に入って行かないわけではありません。

胃の中にピロリ菌が定着し持続感染することは少なく、体内で駆除されるまで一時的にピロリ菌を保有してしまう場合もあるので油断はできません。

医療現場に増えていく『団塊世代』

現在の日本におけるピロリ菌の感染率は年齢が上がるほど高くなっています。

2015年の調査では10~20代で10%未満、30代で15%、50代になるとグッと増えて40%、60代になると半数の50%以上がピロリ菌に感染していることが分かっています。

そして今後、ピロリ菌感染者の多い60~70代の『団塊の世代』が今後の介護・医療の主な利用者となります。

  • 施設内感染
  • 医原性感染(消毒の不十分な医療行為)
  • 家庭内感染(子供と親の接触)

ピロリ菌に触れる機会がは現在よりも遥かに高まると予想されるので、感染していない若年層もピロリ菌に対する知識をしっかりと持っておくことが重要になってきます。

予防には限界が…早期発見がポイント

冒頭でも述べましたが、日本人の患者数・死亡者数が多い胃がんの原因は99%がピロリ菌に感染することにあります。

ピロリ菌は一度感染すると一生胃に住み続けて自然消滅することはなく、有害な毒素を発生させ続けて時間をかけて胃がんや胃潰瘍の原因を作っていきます。

手洗いや衛生管理などの予防が大切ですが、体調管理に気を付けていても風邪に掛かってしまうように、目に見えない菌の侵入を完全に防ぐのはなかなか難しいものです。

なので現実的な対抗策は早期発見して除菌してしまうことです。

幸いなことにピロリ菌の除菌は2次除菌まで行えば97~98%の確率で成功しますし、再発する可能性は1~2%と非常に低いのです。

ですので、

  • 親子揃って一度はピロリ菌の検査を行う
  • 陽性なら除菌をする

これだけのことで一生涯の胃がんのリスクがほぼゼロに抑えられてしまうのです。

簡単に調べられます!

ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる方法は3つあります。

  • 医療機関を受診する
  • ABC検診を受ける
  • 検査キットで調べる

それぞれ手軽さや方法が違いますが、個人的には検査キットで調べる方法がおすすめです。

順番に解説していきます。

医療機関を受診する

ピロリ菌に感染しているかどうかは消化器内科または胃腸科で検査することができます。

ピロリ菌に感染すると、胃の調子が悪かったり口臭が気になったりと自覚症状が出ることがあるので、その場合は保険診療で5,000円ほどで検査することが可能です。

人間ドッグやABC検診を受ける

これから妊娠・出産を考えている方は赤ちゃんへの様々なリスクを考えてピロリ菌検査(ABC検診)を含めた人間ドックをされることを強くお勧めします。

コストこそ掛かりますが、市区町村や企業が実施する定期健康診断とは違って、より精密な検査結果を得られるので予防医療としての効果は非常に高いです。

 関連  日本最大級の施設・プラン数!人間ドックの予約ならマーソ(MRSO)

検査キットで調べる

なかなか医療機関を受診する機会が設けられない人におすすめなのがピロリ菌検査キットを使う方法です。

検査キットには3タイプあって、

  • 採血タイプ
  • 採尿タイプ
  • 検便タイプ

があり、それぞれサンプルを自分で採って分析機関に郵送して数日後に結果が分かるという仕組みです。

ネットで簡単に取り寄せることができ、コストも4,000~6,000円と精密検査を受けるよりも安く、検査の精度も高いのがメリットです。

検査には2週間ほどかかります。

採血タイプ
検尿タイプ
検便タイプ

除菌しない限り一生住み続けます

ピロリ菌の主な感染者は現在40歳以上の中高年に多いので、今後順調にいけばピロリ菌感染者の数は少なくなっていくと思われます。

しかし、介護・医療の現場でピロリ菌感染者の吐しゃ物や排泄物に触れる機会が多くなるのも事実ですから、これ以上ピロリ菌感染者を増やさないためにもしっかりと予防・早期発見をして、見つかった場合はちゃんと除菌することが肝心です。

ピロリ菌は除菌しなければ自然消滅せずに一生胃の中に住み続けて胃がんの原因になるので『自分は大丈夫』と思わず子供のためにも対策を打っておくことを強くお勧めします。