夜勤は心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高い

ある研究機関で夜勤労働者は一般労働者に比べて心筋梗塞脳梗塞などの血管病リスクが高くなるという結果が発表されました。

心筋梗塞や脳梗塞は『突然痛みに襲われそのまま帰らぬ人に』というイメージ通り、発見や治療が遅くなると死に至る病です。

この記事では夜勤と血管病の関係性について解説していきます。

心筋梗塞・脳梗塞って何?

夜勤に入っていなくとも心筋梗塞や脳梗塞という言葉はTVや雑誌などでも日常的に目にする言葉です。

ところが、実際のところ知っているようで知らないこともあるので、簡単にこれらの病気についておさらいしておきましょう。

『梗塞』とは?

『梗塞』とは血管が塞がって通じなくなる血管病のことです。

例えば心臓の筋肉は毎日フル稼働するので、心臓に張り巡らされている冠動脈管で酸素や栄養を運び続けなければいけません。

ところが血栓(血の塊)ができると血管が徐々に狭くなって流れが悪くなり、エネルギーが届かなくなった心筋は壊死してしまいます。

当然、壊死した心筋は動かなくなってしまうので、素早い発見と治療を行わないと死に至る病となります。

血栓が心臓ではなく脳の血管に出来た場合は脳梗塞となり、ある日突発症するものを『急性』と呼びます。

血栓はどうしてできるの?

血栓とは血の塊です。

細いホースは汚れで簡単に詰まってしまいますが、血管は細いからといって簡単には詰まりません。

それは健康な血管は弾力性があってしなやかなので詰まりにくいためです。

ところが、高血圧高血糖になると動脈が硬くなったり血液がドロドロになったりするので血管が硬くなる動脈硬化をひきおこします。

動脈硬化になると細い血管はどんどん狭く血流が悪くなり、最終的には血栓が大きくなり詰まってしまいます。

夜勤との関係性は統計的に証明されている

冒頭でも述べましたが、実は夜勤と血管病リスクの関係性は統計的に証明されています。

有名なのがカナダのウェスタンオンタリオ大学の研究で、200万人以上に及ぶ夜勤労働者を対象に調べたところ、1%強の2万5000人以上に血管病との関連性が見られたのです。

その血管病の割合は

  • 67.2%に冠状動脈の病気
  • 25.6%に心筋梗塞
  • 7.2%が脳梗塞

となっており、特に心臓の周りの冠状動脈に血管病が起こりやすいことが分かりました。

ただ、数値で示されてもなかなかピンと来ないかもしれませんが、実際に夜勤に入ることで引き起こされる様々な身体の不調を紐解いていけば心筋梗塞や脳梗塞との関係性が見えてきます。

夜勤はストレスに晒されやすい

夜勤は常にストレスと隣り合わせです。

仕事のハードさから人間関係が劣悪になりやすく、また人の命を預かる看護師などの仕事では常に極度の緊張感に晒されます。

そんな時に身体の健全な状態を保つために自律神経が抗ストレス作用を持つホルモンの分泌を促します。

例えばアドレナリンは覚醒・興奮を、ノルアドレナリンは集中力・判断力を高めるためにバランスよく分泌されストレスに対抗します。

そのバランスをコントロールしているのはセロトニンやコルチゾールといった調整ホルモンですが、これらも自律神経の働きかけによって分泌されます。

ところが、長期に渡ってストレスに晒され続けると、自律神経が疲弊し抗ストレスホルモンのバランスが崩れていきます

例えばコルチゾールは一過性の他のホルモンと違い身体に蓄積される性質を持っています。

大量に蓄積してくると高血糖になることが分かっており、糖尿病から心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることが分かっています。

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寝不足は食べ過ぎと血糖値の上昇を招く

夜勤労働者が陥りやすい寝不足も心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。

睡眠不足の怖い所は、食欲増進血糖値上昇の命令を出すホルモン『グレリン』のバランスが崩れてしまうことです。

肥満になると血液がドロドロになりやすいですから、結果的に血栓を作るリスクが高まります

『夜勤は慣れ次第』と言う人も多いですが、ある研究データでは人間はマウスなどの動物と違い概日リズム(太陽や地球の動き)によって身体のリズムを整えると分かっています。

なので『どれだけ長い期間夜勤に入っても慣れることはない』とする専門家も少なくなく、夜勤が睡眠不足の根本原因であることは明らかです。

また、看護師の夜勤は12時間制や16時間制をとるところが多く、単純に睡眠時間が削られてしまいがちです。

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若年層で増加傾向です!

心筋梗塞や脳梗塞といった血管病は今まではお年寄りなどの高齢者がかかるイメージが強かったはずです。

ところが近年、20代~40代の若年層と呼ばれる働き盛りの人たちの患者数が増えていっています。

単純に比較することは難しいですが、労働人口における若年夜勤労働者の数も増加の一途をたどっていますから、やはり夜勤と血管病の関連性は無視できないと言えるでしょう。