夜勤などの不規則な生活をしているとどうしても寝不足がちになってしまいますが、寝不足解消に寝溜めをしている人も多いのです。

寝溜めについては近年、『効果のある寝溜め』と『効果の無い寝溜め』があるとされ、間違った寝溜めは睡眠不足が解消されるどころか身体のさまざまなリズムが崩れる原因となり、かえって睡眠障害を引き起こすリスクが高まるとされています。

また、寝溜めは、せっかくの休日を寝るだけで終わらせてしまう『時間の浪費』と感じてしまう一面もあるので、この機会に寝溜めの正しい方法をマスターしておきましょう。

効果があるのは『返済型』の寝溜め

まず結論から言うと、睡眠不足の解消に効果があるとされるのは『返済型』の寝溜めです。

『返済型』と言ったのは、例えるなら睡眠不足は『睡眠時間の借金(睡眠負債)』を抱えている状態と言えるからです。

睡眠負債(借金)は返済しなければ積み重なって増えていき、睡眠不足に陥ってしまいますから、寝溜めというより『寝返済』と言った方がしっくりくるかもしれません。

『睡眠負債』の正体は脳のダメージや疲労

睡眠の最も重要な目的は疲れてしまった脳を休ませることです。

脳は私たちの身体をコントロールする最重要の司令塔ですから、意識しなくても起きているだけでダメージや疲労が蓄積されて行きます。

特に『判断』や『優先順位』を決定するなど、高いレベルの働きをしている大脳への負担は大きく、睡眠不足に陥ることで機能が著しく低下してしまいます。

つまり、睡眠負債の正体は脳へのダメージや疲労と言えます。

特に夜勤や交替版で睡眠不足になった脳は『睡眠負債』が溜まってオーバーヒートしている状態に近いです。

ただし、『返済型』の寝溜めも正しい方法で行わなければ生活リズムが狂ったり、かえって睡眠不足が加速したりするリスクがあります

それについては記事の後半で紹介していきます。

『先取り型』の寝溜めはダメなの?

では、一方で『先取り型』の寝溜めはダメなのでしょうか?

これも結論から言うと、先取り型の寝溜めには睡眠不足解消の効果はありません。

返済型が『睡眠時間の返済』なら、先取り型は『睡眠時間の貯金』をしていくイメージに近いですよね?

夜勤の前に睡眠時間を貯金しておけば、睡眠不足になりそうな時に切り崩して睡眠負債の蓄積を防ぐことができそうですが、なぜ意味が無いのでしょうか?

睡眠は貯金できません

理由はとても単純で、睡眠時間はあらかじめ貯金しておくことができないからです。

これは、スマホなど電化製品の充電に置き換えて考えてみるとイメージしやすいです。

いくら夜勤に備えてスマホを充電しておいたとしても、電池容量100%以上は充電できませんよね?これは脳も同じで、睡眠時間が足りている脳が元気な状態で眠っても睡眠時間が貯金されることがありません。

むしろ脳を休ませる必要がないので睡眠も浅くなり意味がありません。

夜勤に備えて身体を休めておきたいし、『先取り寝溜め』をやった方がいいのでは?と思うかもしれませんが、こんな失敗をした経験はありませんか?

  • 徹夜する予定だったのに結局寝てしまった
  • 思い切り寝溜めしてきたのに結局眠たい
  • たくさん寝てきたのに体がだるい

このように、寝溜めの失敗で眠気と闘っている人は多いく、私も夜勤でよく『先取り寝溜め』をしていたんですが、結局いつもの時間に眠気に襲われていました(汗

眠気は『起床時間』を基準に襲ってくる

なぜ先取り寝溜めができないのか?

なぜ寝溜めをしてもいつもの時間に眠気が襲ってくるのか?

その理由は眠気は起床時間を基準に襲ってくるからです。

これもスマホに置き換えてみるとイメージしやすいです。充電期間がどれだけ長かろうと、MAX充電の状態から電池がゼロになる時間帯はだいたい決まっていますよね?

つまり、スマホを充電ケーブルを抜いた時間(起床時間)から電池がゼロになるカウントダウンが始まるわけで、人間も起きた時間から眠気が襲ってくる時間がだいたい決まっているのです。

大脳を休息させるためのリズム・プログラムが走っている

『体内時計』や『生活リズム』という言葉を聞いたことがあると思いますが、人間の体内には様々なリズムがあります。

呼吸することや心臓が動くこともリズムのひとつですし、『朝起きて夜に眠る』というごく普通の生理現象もリズムのひとつと言えます。

そのリズムのなかで『眠気』を司るリズムも存在し、一番強烈な眠気をもたらすのが大脳を休ませるためのリズムとされています。

さまざまな研究によって、眠気の周期は起床から8時間後と22時間後の2回やってくることが分かっています。

このように、眠気が襲ってくる時間は『何時間寝たか』ではなく、『何時に起きたか』によって影響されるので、『先取り型の寝溜め』ができないことも納得できるのではないでしょうか?

正しい寝溜めの方法とは?

ここまでの内容を一度まとめておきましょう

  • 寝不足になると脳に睡眠負債が溜まっていく
  • 『返済型』の寝溜めは効果あり
  • 睡眠時間は『貯金』できない
  • 眠気は起床から8時間後と22時間後に襲ってくる

でしたね?

そして返済型寝溜めも方法を間違えると逆効果という注意点があったはずです。

ここからは、『返済型』の寝溜めの正しい方法を紹介していきます。

夜勤明けの睡眠の一括返済に注意

図:間違った寝溜め

夜勤明けや深夜残業が多かった週の休日は昼過ぎまで寝て睡眠不足を挽回しようとすることがありませんか?

睡眠不足で溜まった睡眠負債を一括返済するイメージですが、寝たその日はスッキリするかもしれませんが、翌週に寝不足を持ち越す恐れがあるので、その後の睡眠環境を上手くコントロールする必要があります。

さきほど、『眠気は起床時間を基準に襲ってくる』と紹介しましたが、休日に昼過ぎまで寝ていたり、ほぼ寝るだけで過ごしてしまうと、大脳を休ませるためのリズムがそのまま後ろにズレてしまいます。

するとどうなるか?

つまり、生活リズムと睡魔のリズムが一致していない状態に陥ってしまいます。

こんな失敗をした経験はありませんか?

【キャラ】ギャル女性B困り

土曜も日曜も夜更かししちゃった…

月曜日から寝不足スタート…

睡眠負債を無理に一括返済しようとしたのに、週初めからいきなり新たな睡眠負債を抱えてしまうパターンです。

多額の借金を無理に返済しようとして、結局また借金をしてしまうイメージに似ています。

『ご利用は計画的に』と某CMでも言っているように、睡眠負債の返済も計画的に行うのが結果的に身体に負担を掛けない良い方法です。

『返済型』の寝溜めは分割返済で少しずつ

図:正しい寝溜め

では、一番理想的な寝溜めはどうすれば良いのかというと、起床時間を遅くせず、就寝時間を少しずつ早くすることです。

これなら起床8時間後と22時間後にやってくる大脳を休ませるためのリズムに変化がないので、生活リズムとの不一致が起こりません。

幸い、睡眠負債には利息は付きません(笑)

毎日15分でも20分でも良いので、就寝時間を早くして少しずつ睡眠不足を解消していきましょう。

1日で返済できる睡眠負債は少なくても月曜日~金曜日の5日間続ければ合計で1~2時間の睡眠時間を確保することが可能です。

次の夜勤に備えるなら仮眠を取りましょう

もし、日勤のあとに遅番や夜勤が控えているのなら、遅番前の寝溜めをするのではなく、仕事の直前に90分程度の仮眠を取るようにしましょう。

90分の睡眠ならレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を1回ずつ繰り返すことができる最小単位時間なので質の良い睡眠を取ることが期待できます。

また、起床時間を基準とした大脳を休ませるためのリズムも後ろに遅らせることができるので夜勤中に襲ってくる睡魔の波を避ける&夜勤の身体を作る手助けになるはずです。

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