夜なかなか寝付けなかったり、交替勤務で昼間に寝なければいけない場合、眠るための寝酒に頼る人も多いのではないでしょうか?

確かに寝酒をすると『眠りに入りやすい』という利点がありますが、それと引き換えに

  • いびきが酷くなる
  • 血圧が上がる
  • 疲労が蓄積する
  • 突然死の危険性が上がる
  • アルコール依存になる

などのさまざまなデメリットが指摘されているのも事実です。

【キャラ】男性勤務者A困り

身体の不調は寝酒のせいかも…

できれば寝酒を止めたい…

と思っている方は、寝酒のリスク寝酒を止める方法をまとめていますので、よろしければ参考になさってください。

日本で寝酒に頼る人はかなり多い

寝酒には確かに『寝つきやすい』という実感があります。

アルコールには不安を抑えて精神の緊張をほぐす作用があるので、仕事のストレスや心配事で寝付けない人でも寝入りが良くなります。

欧米でも寝酒はナイトキャップと呼ばれる一般的な風習なのですが、日本では特に寝酒に頼る人が多いとされています。

先日のニュースで『日本の生産性は先進国で最下位』と報道されたとおり、日本は長時間労働の影響もあってか先進諸国に比べて睡眠時間が短く、睡眠環境に不満を持つ人が多いのです。

調査によってまちまちですが、実に日本人の30~40%の人が寝酒に頼っているとされています。

寝酒には命を脅かすリスクもある

ところが、寝酒には『眠りやすさ』と引き換えにさまざまなデメリットが指摘されているのも事実です。

中には健康を害するだけでなく、突然死などの命に関わるリスクを抱える危険行為とも言われています。

睡眠の質はとても悪くなる

寝酒をした場合、夜中に起きてしまうことがあったり、いつもよりかなり早い時間に目覚めてしまうことはありませんか?

寝酒は寝つきが良いので熟睡しているように思われがちですが、睡眠の質はとても悪くなるのです。

アルコールの影響で睡眠時間の前半は深い眠りにつくことができますが、その効果は長続きしません。

というのも、アルコールは肝臓に運ばれると3~4時間でアセトアルデヒドという物質に分解され始めますが、アセトアルデヒドには覚醒作用があるため交感神経が刺激されて睡眠が浅くなってしまいます。

本来なら上図のようなノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返して徐々に眠りが浅くなっていきますが、寝酒をすると特に深い3層、4層の時間が減少してしまい浅い眠りの時間が極端に増えてしまいます。

  • 寝酒をすると夢をたくさん見る
  • 寝酒をすると夢か現実か分からない記憶が残る

このような経験がある場合は寝酒によって睡眠全体の質が悪くなっている証拠です。

寝ても疲労感が残る

睡眠の目的はまず第一に『脳を休ませること』、第二に『身体を休ませること』です。

睡眠の質が悪くなってしまうと眠りが分断されて不安定になってしまうので脳と身体に疲れが蓄積してしまいます。

その結果、昼間の眠気慢性的な疲労感が強くなり悪循環に陥ってしまいます。

『いびき』が酷くなる⇒睡眠時無呼吸症候群に

アルコールには筋弛緩作用がありますから、睡眠中に舌が喉に落ち込んで気道が狭くなります。

そうなると普段は『いびき』をかかない人が『いびき』をかいたり、普段より『いびき』が酷くなります。

最近よく話題になりますが、『いびき』は睡眠時無呼吸症候群の原因となります。読んで字のごとく睡眠中の呼吸が止まってしまうので、必要な空気が脳に送られなくなり身体全体が酸欠状態に陥ります。

そうなると、心臓が無理をして酸素を送ろうとするので血管に負担がかかり、高血圧や脳肝疾患のリスクを高めてしまいます

悪化すると脳梗塞や心筋梗塞などの突然死の危険性がある疾病にも繋がるので、決して楽観視できません。

脱水症状⇒睡眠時熱中症のリスク

寝酒をした時に喉がカラカラになって起きることはありませんか?

これはアルコールによって身体が軽い脱水症状を起こしているためです。

アルコールは分解される過程で体内の水分バランスを変えてしまうことが分かっていて、それが原因で利尿作用が進み、脱水症状を引き起こすと考えられています。

『でも、たかが脱水症状でしょ?』と侮ってはいけません

特に気を付けないといけないのが夏場の寝酒です。

最近は気密性の高い家やマンションが多いので、昼間に溜め込んだ熱気が夜間の寝室の温度を上げて、脱水症状から睡眠時熱中症を引き起こす危険性があります。

睡眠時熱中症は寝ている時に起こるので適切な処置ができず死亡する例も報告されています。

アルコール依存症

寝酒をすると最も陥りやすいのがアルコール依存症です。

アルコールは依存性と耐性が付いてしまうので、最初は少量のお酒で寝付けていたのに一週間も続けると効果を感じなくなってしまいます。

その結果、寝酒に飲むお酒の量が徐々に増えていき、眠れないからお酒を飲んでいるのか、お酒を飲みたいから飲んでいるのか分からない状態になってしまいます。

また、ストレスや悩み事が眠れない原因である場合は、『お酒が無いと眠れない』と思い込んでしまいアルコール依存症になるケースもあります。

飲み過ぎ・食べ過ぎ

寝酒をしないと眠れなくなると、寝酒と言いつつも飲み過ぎ、食べ過ぎになってしまう可能性が高いです。

『空きっ腹にお酒は無理』という人が多いように、お酒を飲むと食欲が増進されるので何かを食べずにはいられなくなります。

お酒のおつまみには、塩辛いものや脂質の多いものを好む傾向にあるので塩分の摂りすぎや肥満の原因になってしまうのは言うまでもありません。

肝臓や胃への負担

お酒を飲んだらすぐに眠ってしまいませんか?

お酒に限らず、食べ物を消化器官に入れた直後に眠ってしまうのは身体への負担が高くなり、逆流性食道炎や胃腸炎のリスクが高まります。

また、本来なら眠る時は身体や脳を休ませるために副交感神経が活発になりますが、寝酒をしてすぐに寝ると活発化を促す交感神経が活発になって睡眠の質も悪くなってしまいます。

寝酒を止めるにはどうしたらいい?

このように、寝酒は『眠りやすさ』と引き換えに多くのリスクを抱える行為です。

決して体に良いものではないので、なんとか寝酒を止めるように努力していきたいものです。

まずは『お酒を飲む時間』を見直そう

いきなり寝酒を止めるのは難しいので、飲み方を見直していきましょう。

さきほども少し紹介しましたが、アルコールが分解され始めるまで3~4時間掛かります。

なので、『寝酒』として飲むのではなく、夕飯の時に飲むようにして就寝の3時間前までにはお酒を飲み終えておくようにしましょう。

お酒の量を減らすのは…難しい?

お酒を飲む時間を見直したら、次は飲む量を見直しましょう。

本数を減らす、缶のサイズを落とす、飲む日を少なくする、少しずつでいいので飲む量を減らしていきます。

はい、めでたしめでたし。

とはいかないのが寝酒の難しいところです。

実は、厳密に言うと睡眠の質に悪影響を及ぼすお酒の量は『コップ1杯』でも多すぎると言われています。

しかし、私もお酒が大好きなので分かりますが、『コップ1杯でもダメ』と言われてしまうと、それは『お酒を一滴も飲むな』と言われているのと同じです。

そもそも、コップ1杯なんて350ml缶よりも量が少ないですから、現実的な話ではありません。

禁酒と寝酒を止めることは違いますから、物事を分けて考える必要があります。

お酒が無いと眠れない⇒睡眠障害の一種

睡眠障害と聞くとなにか大袈裟な言葉に聞こえるかもしれませんが、現実に『お酒が無いと眠れない』という症状があるわけですから、立派な睡眠障害の一種と言えます。

となれば、何か医学的な処方が必要になってきますが…

【キャラ】男性勤務者B困り

う~ん…

でも睡眠薬とか睡眠導入剤を飲むのはちょっと…

思ってしまうかもしれません。

しかし、依存症や危険性という意味では1粒の睡眠薬よりも1杯のアルコールの方が遥かに高いという事実も受け入れたいものです。

それでも『どうしても睡眠薬は嫌だ』という場合は、サプリメントで不眠対策を始めることもできます。

サプリメントの中には眠りの質を高めるグリシンやギャバ、寝付けないイライラをスッキリさせるクワンソウなどをバランスよく配合した身体への負担が少ないものもあるので検討してみてはどうでしょうか?

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アルコール依存の不眠と向き合うには根気が必要ですし、効果を実感するには時間も掛かるので諦めずに向き合うことが大切です。

どうしてもお酒が無いと眠れない場合は、気が進まなくても睡眠外来などの専門家に相談することも視野に入れておきましょう。